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最近みた陶芸の展示3つ

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ここ1週間の間に陶芸に関する美術展を3か所いってきました。
以下、自分のための備忘録兼ねて。

1. 八木一夫と清水九兵衛
  菊池寛実 智記念美術館(東京 虎ノ門)
  
2. フランス人間国宝展
  国立東京博物館 表慶館(東京 上野)
  
 フランスで陶芸、とくに窯変天目に取り組んでいるジャン・ジレルさんの講演会にあわせていってきましたが、活動内容はもちろん語り口、資料など素晴らしかった!  これ以外にもガラスや金工、傘や扇などの作品と制作過程のビデオ展示。

3. 陶匠 辻清明の世界 
  国立近代美術館 工芸館(東京 竹橋)
 
 古信楽からのインスピレーション「明るさ寂び」は、知識不足でよく理解できずですが、窯焚きの映像は時間をかけてみました。親交のあった山口長男やサム・フランシスが挑戦した陶板なども展示されていました。
 

by craft-loulou | 2017-09-22 07:00 | ミュージアムレビュー | Comments(0)

菊池寛実記念 智美術館のブロガー向けの催しに参加してきました。
見応えある現代陶芸の企画展の様子をレポートします。
※写真撮影と掲載は主催者許可をいただいています。

いま、菊池寛実記念 智美術館で行われている企画展は、

『八木一夫と清水九兵衞 陶芸と彫刻のあいだで』です。

9月16日(土)~ 12月3日(日)
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それぞれ個展で紹介してもよいほどの戦後陶芸を牽引したお二人ですが、、、という学芸員の方のイントロダクション。
京都で伝統を受け継ぐべき立場にいながら、それぞれの分野で新しい挑戦をし続けた同時代の作家どうしです。
土への想いの違いを見比べるか、共通点を見つけるか、興味がつきない企画展でした。
展覧会ポスターに、この肖像2点並んでるのがいいです。それぞれに、モダンないでたちでインテリな印象も受けます。
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オブジェ焼き、の言葉とともにあまりに有名な作品『ザムザ氏の散歩』。
展示会を見る前は、この作品以外に八木一夫作品でピンとくるものは『ザムザ氏・・』を含めて数点でした。ですが、今回の作品をみてあまりに多岐にわたる作風にびっくりです。
そのなかでも黒陶の作品が多く展示されていたのは意外でした。低火度で焼く黒陶ならではのなまめかさのようなものを感じます。
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同時期に活躍した、ミロやイサムノグチらの影響も思いおこさせます。
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八木一夫の陶の額装されている作品。軽やかで好きです。

続いて清水九兵衞。
この方を紹介するのはなかなか難しいです。
京焼で代々続く家に婿養子にはいり作陶活動するも、本来藝大で学んだ金属による彫刻の表現を続けます。
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土か金属の違いとは、あまりに違いすぎるような気がしますが、そんなことを考えるだけでも、1時間ほど作品をみながらあれこれと思いめぐりらせることができそうです。アルミニウムの作品も展示がありましたし、陶と組み合わせた作品も。
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作家は、焼成するとゆがむ粘土をどう作品に取り入れるかということに苦心したようです。
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1956年に新工芸作品展に出品されたものと同じタイプの『ユニット・オブジェ(一輪挿)』。金属ではなく、粘土で作ったのですね、これを、と思いたくなるような作品群。

この展示には、作家の撮った写真や映像、作品発表当時の展示風景なども大きな見どころです。
八木一夫、清水九兵衞ともに、映像資料はみのがせません。

美術館で現代陶芸を見る意味について、最近よく考えるのですが、当時の人々がどのようなライフスタイルや、それに伴う社会や経済を目指していて、そのなかで陶芸や工芸がなにを目指していたのか、というところにまで踏み込んで考えることができるのが美術館という場所なのかもしれません。
そうそう、国立近代美術館でやっている『日本の家』展も、戦後日本の暮らしを考える面白い展示でした。

補足として、
八木一夫の著書 講談社文芸文庫『オブジェ焼き』は以前から何度か読む機会がありましたが、100年もくだらないのに、こんなにも物づくりに関わるあらゆることが今とは違っていたのかと思い知らされる貴重な資料だと思います。
松岡正剛氏のサイト(http://1000ya.isis.ne.jp/0314.html)にも紹介されています。




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by craft-loulou | 2017-09-21 07:00 | ミュージアムレビュー | Comments(0)

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この作品は見るたびに感動し幸せな気分になれます。
訪れたときは夏休みで子どもも多く、キラキラした水面に惹きつけられて、そのまま足を入れてしまいそうな子供がいました。

この秋、この作品の作者レアンドロ・エルリッヒの展示が森美術館があるので楽しみです。


by craft-loulou | 2017-09-03 07:00 | たび | Comments(0)

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金沢21世紀美術館では8月、展示の一部にヨーガン レール展をやっていました。

過去にヨーガン レールさんの石のコレクションの写真集を見たことがあります。石の模様や色が本当に綺麗だったんです。

ここで偶然にも展示で石の現物を見ることが出来ました。21世紀美術館の中庭の展示方法も面白いです。


by craft-loulou | 2017-09-02 07:00 | たび | Comments(0)

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夏の終わり、急に思い立って、北陸新幹線で金沢と富山に行ってきました。

行ってきたところ備忘録、その1、富山市ガラス美術館。
ガラスの街としての知名度はこれからのような気がしますが、薬瓶としてのガラス工場は古くから複数あったそうです。
美術館は予想外以上に見応えがあり、企画展が2つ、常設展と所蔵展も2つの展示を見られました。

撮影可だった家住利男の「削りの形」展。
ガラスの炉から始まる作業ではなく、板ガラスを接着し、削る、磨くといった方法での表現はユニーク。光を透すガラスは、目に映る効果もダイレクト。

妥協は許されないであろう、飾る、磨くという作業行程に思いがめぐります。
背の高い作品も多くて、壊れやすさと裏腹なガラスならではのよい緊張感のある展示でした。

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こちらの美術館、富山市の街の中心街にある複合ビルで、図書館も併設していますが、民間へのテナント貸などはしておらず、文化施設に徹しているところが好感もてます。

図書館も明るく開放的でテーブル席もたっぷりとあり魅力的な文化施設でした。隈研吾設計です。



by craft-loulou | 2017-08-28 07:00 | たび | Comments(0)

雨の札幌

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いちど行ってみたかったモエレ沼公園。
雨のなかを進むか留まるかは自分次第。
傘をさしながら、湿り気を帯びた広い広い芝生を踏みしめ、林の下を抜けて、噴水の柱を見上げたひと時。
自分の足でそこに立ってみないとわからなかった、やっぱりな、そうだよね。

イサムノグチのイメージを、よくもこんな大きな形に実現できたよなと思いました。
また晴れた日に、雪の日に、乾いた秋に、来てみたいです。






by craft-loulou | 2015-07-03 20:39 | たび | Comments(0)

上野公園にある東京都美術館で行われた、ブロガー向け
「大英博物館展ナイト」にいってきました。

大英博物館といえば、私は5年ほど前にロンドンに旅行したときに、足掛け2日間見学しました。

展示物が本当に多くて混沌としていて、何を見たのか、見ていないのか、いまとなっては記憶もあやふやですが、、、、
日本の美術館見学のように、ルートにそって受動的に見ていてはダメだということに気づきました。

今回は英国から100点のものがやってきて かなり厳選されてますが、でもそれぞれの文化や時代の展示物を細かくみるのは大変です。能動的にテーマを絞ってみるのがおすすめ。

私の場合は、ライフワークになっている『陶や器』にポイントをしぼってみることにしました。


200万年前の石器から、展示は始まります。
本展示のなかで、最古の器がでてきました。

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雄牛の頭が描かれた器 紀元前5600-前5200年 イラク北部 アルパチャ 大英博物館蔵

私には、なかなか牛にみえないんですが、、もうこのころに牛の家畜化がはじまっていたそうです。



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縄文土器 深鉢 紀元前5000年頃 日本 大英博物館

縄文土器も結構古い! これは7000年前のものだそうですよ。
しかも江戸時代に内側に金を貼って茶会に使われていたらしい。
しかもしかも、シーボルトの手を経由して英国にわたった器らしい。
深いですね。やはり日本の展示物にはより深い愛着を感じます。


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六博をする人物像 1-200年 中国 大英博物館蔵

器ではないけれど、陶でできた人形、副葬品です。灰釉でしょうか、釉薬がかかっています。このあと700年ほど経ますが、唐三彩の傭(よう)も展示されていました。
陶による器はどんどん大陸から日本に渡ってきますが、傭は日本では受容されていませんね。
また、当然ながら、大英博物館には大理石の彫像もたくさん。本展示でも素晴らしいローマ時代などの彫像がありました。などなどといろいろ頭のなかにイメージが浮かんでは消えて、だまってみていても頭は忙しいです。



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キルワ採集の陶片 900-1400年 キルワ・キシワニの海岸 大英博物館蔵

去年、織部焼の地、美濃を旅行したときのこと。子供のころに陶片集めに没頭したという地元のおじさんの目がキラキラしてたっけ。
これは70年ほど前にタンザニアの海岸でみつかったという陶片。歴史ロマンを感じます。
東インド会社はじめインド洋交易で栄えた記憶をとどめる陶片は、中世のインド洋交路とともに展示。


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青花皿 1330-1350年 中国 景徳鎮 大英博物館蔵

磁器に呉須(コバルト)で絵付けされた青花。以前、学校の宿題で調べていたときに、元・明・清と時代を経るごとに絵付けの図案も、色そのものも変化する様子にワクワクして資料をあたったのだけれど、本展示ではこの1品が選ばれているという潔さ。でもそれが大英博物館という場所。膨大の展示のなかからテーマを選び、展示物を選び、多くの国の様々な人の目にさらされる現実。



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中央が、魚紋壺 1500年 韓国 大英博物館
右側が、金継された椀(粉青沙器) 1400~1500 韓国

日本で修復されて、はやり茶会などに使われた李朝の椀。日本の三島手も一緒に展示されていました。
よく見慣れたなじみ深い器だけれど、そいういうバックグラウンドも込みで、この器たちは今はロンドンにいる。


一方で、今回はじめて知ったスレイマン大帝時代の可憐な器。
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イズニク陶器の皿(金角様式) 1530-1560年 トルコ、イズニク 大英博物館

中国陶器に影響をうけているけど、また何か違う雰囲気。スルタンの署名(花押に似ている)に着想を得ているそうです。
筆致がとても細かいけど、緊張感よりも柔らかさを感じて、結構好きです。



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柿右衛門の象 1650-1700 佐賀県有田町

オランダ人によってヨーロッパに運ばれたという中国風の磁器。明が滅亡して、日本がアジアの磁器産業のトップに躍り出た時期だそうです。
そう知ると、勢いみなぎる作品のように見えてくるので不思議です。

勢いといえば、この器にもそれを感じます。
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ロシア革命の絵皿 1919年 ロシア 大英博物館像

添えられた言葉は「自由労働は幸せだ」とあり、革命のための宣伝手段としての役割をもっていたそうです。
おなじ展示室には、アメリカの選挙バッジ、アフガニスタンの戦争柄絨毯などもありました。

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アフガニスタンの戦争柄絨毯 1980-1989年 アフガニスタン 大英博物館蔵

戦車のようなモチーフも織り込まれていて、陶磁器ではないけれど、かなり驚いた展示物だったので。

英国が誇るウェッジウッドもありました。
1840-1845年のヴィクトリア朝のもの。
お茶という嗜好品のために、遠く世界のはてから植物の葉を運び、様式や技術を更新しつづけた陶磁器でそれを楽しむ。
原始時代の土器と比べると、随分進化しましたね。

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100のモノが語る世界の歴史
大英博物館展
2015.4.18~6.28(日)
東京都美術館

※会場内の画像はすべて主催者の許可を得て撮影したものです。

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ハリーポッターの1シーンを思い起こさせるチェス駒の巨大レプリカ。
ここは記念撮影ができますよ。

豊かな豊かな、イメージの旅を楽しみました。
もちろん
陶磁器以外にもたくさんの展示品があります。
大英博物館にいったことがある人も、いつか行きたいと思っている人も、おすすめの展示だと思います。




by craft-loulou | 2015-04-19 11:07 | ミュージアムレビュー | Comments(0)